【比較表】Apple Search Ads(ASA)とAdjustの計測で乖離が起きる原因

ASA(Apple Search Ads)とMMPの乖離問題についてよく社内で話になります。

自分の会社ではアプリ広告の際に、AdjustというMMPを使って計測しています。

MMPとは

MMPとは「Mobile Measurement Partner」の略で、モバイルアプリの広告効果を計測・分析するためのツールやサービスを指します。

インストール計測や購入、登録等のアプリ内のユーザー行動の追跡、アトリビューション、広告詐欺の検出・防止等の機能があります。
代表的なMMPには、AppsFlyer、Adjust、Branch、Kochavaなどがあります。

自分が今の仕事についてアプリ広告の取り扱いは初めてなので、ASAとadjustで数値の乖離が起こる要因がどのようなものがあるかわかりませんでした。

また、聞いてみるとその要因も様々あるようなので、いまいち要領を得ませんでした。

どこかに整理されているものがあれば話が早かったのですが、調べた限りパッと出てくるものがなかったので、自分で表にまとめてみました。
参考にどうぞ。

Apple Search Ads(ASA)とAdjustの乖離要因【比較表】

〇は計上されるという意味です。

違い 具体的な動き Apple (ASA) Adjust
ラストクリック

Apple広告クリック

他の広告クリック

DL

アプリ起動

×
ラストクリック

Apple広告クリック

DL

他の広告クリック

アプリ起動

×
クリックウィンドウの日数   30日間(固定) 7日間(初期)
CVの定義の違い   アプリをDLした時点 初回起動
ユーザーの識別方法   Apple ID

端末ごとの広告ID
(=IDFA)

ユーザーの識別方法

機種変更したユーザーやデバイス複数台持ちのユーザーが再DLする

×
(AppleIDで識別する為)

レポートのタイムゾーン   登録アカウントの地域 UTC
再ダウンロード

アンインストール

Apple広告経由で再DL


(Redownloadsとしてカウント)

×
(1端末に対して新規インストールは1回のみ計上)

追跡型広告を制限(LAT)が有効化

追跡型広告を制限(LAT)が有効化

DL

アプリ起動


(IDFAの有無にかかわらず可能)

×
(IDFA取得ができないため)

休眠期間
(ASAのリダウンロードと Adjustのリアトリビューション)
 


(休眠期間にかかわらずリアトリビューションとして計上)


設定した休眠期間(通常7日間)を満たしたユーザーのみリアトリビューション対象)

※Adjust画面でASAの休眠期間を0日に設定することで乖離を減少させることができる

やはり一番大きく乖離が発生するポイントは「追跡型広告を制限(LAT)が有効化」でしょうか。

LATとは

LATとは、「Limit Ad Tracking(追跡型広告制限)」の略で、ユーザーがデジタル広告の追跡を制限するための設定です。

これをオン(有効)にすると、パーソナライズされた広告を表示することが制限されます。(オンにすると制限される…ちょっとややこしいですね。)

iOSのLAT設定画面

LATは iOS10から搭載された機能で、ユーザーはスマホの設定→プライバシーとセキュリティ→Appleの広告から任意でオン/オフの変更が可能です。

LATを有効にしているユーザー(LAT ON)の割合は、調べてみると20~30%程度といわれているようです。

ただ、これは少し古い情報なので、2024年現在ではもっと上がっていそうです。

ざっくりと考えると、だいたい30%程度のユーザーがパーソナライズ広告を制限しているということは、その分がAdjustではApple広告の成果として正しく計上されません。

おわり

数値を見る管理画面はなるべく統一したい!と思いつつも、ツールによって定義や条件がバラバラなので難しい…。

更にそれらの違いを理解しないと、何が正しい数値なのかわからない…。

デジタルの世界でお仕事をしている我々ですが、バックグラウンドはまだまだ泥臭く地道なことが多いです。